2007年11月1日木曜日

偽装請負と労働者派遣の関係

「偽装請負」とは、業務請負や業務委託の契約上形式を採りながら、又は該当者が個人事業主としての契約主体となっている場合であっても、実態が労働者派遣に該当するものを指します。
つまり、偽装請負となるのは請負側が人の派遣のみを行って責任者がいないか実質的に機能しておらず、顧客側の社員が作業指示を行っている場合です。
この背景には、請負労働者の場合、労働基準法が適用されないため派遣労働者と比べて顧客が作業員の身分に注意する必要はなく、生産効率の低い作業者は容易に交代させられるため顧客は労働者派遣契約をしたがらないということがあります。

しかし、労働災害が発生すれば、労働者を送り込んだものだけではなく、労働者を受け入れた者も責任を負わされます。責任の負担に当たっては、形式的な契約形式にとらわれず、労働者を受け入れた者は、実態に応じて、当該労働者の雇用者または派遣労働者を受け入れた者などとしての責任を負います。
また、税法上では、外形標準課税制度(資本金一億円以上の法人が対象)において、正当な請負であれば請負契約金額は課税標準に組み入れなくとも良い(=課税対象外)ですが、偽装請負と判定された場合は請負契約金額全額が報酬給与額と認定され課税標準に組み込まれ、結果として税金が重くなります。なお正規の派遣において、派遣料金における課税標準は75%です。